Pasand Trip in India vol.4〜宝石の街の路地裏に佇むホテル〜
2024.06.28
Pasand Trip in India vol.4〜宝石の街の路地裏に佇むホテル〜
宝石の街、ジャイプールのジョーリ・バザール(宝石市場)の路地に入ると、狭い道路を猛スピードで駆け抜けるバイクの数々、我が物顔で闊歩する牛、昼下がりには行列ができるインディアンスナックの屋台。まさにインドらしい混沌のさなかに、突如として歴史的な建造物があらわれます。それがインドで最もホットなホテルにも選ばれている『Johri』。豊かな色に彩られた客室や、満足度の高いベジタリアンレストランも備える、ジャイプールでいま泊まるべきホテルを紹介します。
歴史を刻んできたホテルに泊まる幸せ
ジャイプールの旧市街のなかでも著名な建造物のひとつ、ラル ハヴェリ。ここはかつて、イギリスからの独立を目指して展開された民族運動の中心地としても機能してきた。一歩ホテルの中に足を踏み入れれば、往時の面影を残す建物として時々のオーナーに大切に扱われてきたことがよくわかる。
扉を潜り、後ほど紹介するレストランを抜けたところがエントランスロビー。花柄のモザイクタイルと中央に浮かべられたマリーゴールドの花びらに出迎えられると、外の喧騒から一気に離れて優雅な気持ちへと旅行客を誘ってくれる。
客室はすべてスイートルームで5つのみ。静かで落ち着いた空間で、心も身体も癒すことができる。共有スペースにあるカラフルで可愛らしいベンチに腰掛けながら、刻々と姿形を変えて差し込んでくる太陽の光によって浮かび上がる壁面の表情を見ているだけで、思いがけず時間がすぎていってしまうほど美しい。
宿泊者専用のクラブラウンジは、ラジャスターン州の自然をイメージした手描きの絵画に囲まれており、午後になればカクテルを飲みながら思い思いのひとときを過ごすことができる。
キーカラーの異なる客室はすべて覗いてみたくなるほど
5つの客室は、異なるテーマカラーによって構成されている。優しげなイエローを主体にしたPanna Suiteは、中庭を見渡す2階にあるバスルーム付きの部屋。
部屋の随所に用いられるアーチが、肩肘張らずに過ごせる雰囲気を演出している。
以前の記事で紹介したフラワーマーケットで好みの花を買って活けてみたり…。Pasandの服はインドでも涼しく着られるし、夜に洗って干しておけば翌朝には乾くので旅のワードローブとしてとても優秀。
Manakはピンクを基調とした可愛らしい客室。広々としたメインの居室、バスルームの壁に施された繊細な模様など、こちらも見どころが満載。
夜も朝も美味しく食事ができるレストラン
『The Johri』をおすすめしたいポイントは、客室の優雅さだけではなくレストランのクオリティが非常に高いこと。季節ごとの新鮮な野菜を使い、オーガニックベジタリアンインド料理を標榜してメニューが構成されている。インド全域のレストランでベジタリアン対応メニューは用意されているものの、ここまで味のしっかりした満足度の高い料理を食べることができるレストランは多くない。
そして夕食はもちろんのこと、朝食も素晴らしい。オリジナルのオムレツやパンケーキ、そしてカプチーノも出色の味わい。
寝る、過ごす、食べる、すべてのクオリティが高く、インドの喧騒と静寂を感じられる『The Johri』は、まさに“今泊まりたいホテル”として覚えておくべき一軒に違いない。
【The Johri】
住所:3950, MSB Ka Rasta, Johri Bazar, Ghat Darwaza, Jaipur, Rajasthan 302003 India
HP:http://thejohrijaipur.com
-アーカイブマガジンはこちらから-
Pasand Trip in India vol.1〜インドを訪れる前に知っておきたいこと〜
Pasand Trip in India vol.2〜インドのローカルを体験する〜
Pasand Trip in India vol.3〜ジャイプールで訪れたいショップ〜
photography: Akemi Kurosaka
text: Pierre la Roche