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Pasandのモノ作り③ あたたかい手仕事が生まれる現場を訪ねて

Pasandのモノ作り③ あたたかい手仕事が生まれる現場を訪ねて

インドでモノ作りをおこなうPasand by ne Quittez pas(パサンドバイヌキテパ)。生産拠点の工場を訪れると、青山をはじめ店頭に並んでいる洋服たちが、たくさんの手仕事から生み出されていることを実感します。分業が確立した現場で毎日技術を磨き、それぞれに「マスター」と呼ばれる職人たちに迫りました。

Pasandの服作りを支える女性たちに追った第2回の記事はこちら


手彫りの木版で1日30mプリントする職人が

手彫りの木版を1回1回インクに浸して布に押し当てて印刷していく「ブロックプリント」。一見簡単そうに見えるこの作業も、ズレなく、にじみなく完成させられるのは職人だからなせる技。この作業を1日にひとりで30m、ひたすらにプリントを続けていく。

木版をインクにつけてから、目の荒いガーゼで漉して均一な濃さで印刷されるようにコントロール。その塩梅は長年の経験で培ったモノ。店頭に並ぶブロックプリントで印刷されたワンピースなどのアイテムに目を凝らすと、手作業だからこそ生まれる絶妙な揺らぎが感じられる。

工場を訪れるたびに供されるチャイももちろん各工場のオリジナル。ジンジャーの香りが強調されているところ、バランスよくまろやかな味わいのところ、こんなところにもインドの手仕事の温もりが。


黙々と、たしかな信頼関係で
刻まれるスクリーンプリント

同じくインドの伝統的な技術「スクリーンプリント」。ひとりでは手を伸ばしても届かないほど大きなスクリーンに対して、職人2人がスパチュラ(ヘラ)を手渡ししながら印刷していく。テーブルの奥行きはこの工場で35m。先ほどのブロックプリントよりも一度に多くの面積を印刷できる効率的な技術ながら、2人の力加減を合わせる必要のある熟練の技。


老若男女がそれぞれの持ち場で躍動

UPALAのジュエリーを生産している工場で、地金を溶かし0.9mmのワイヤーを作るパートを担当している21歳の職人。彼が作った繊細なワイヤーに年配の職人がレインボームーンストーンを溶接し、完成に近づいたところで彼とは別の20代の職人が最終の磨きを行っていた。この工場では働く女性のそばで駆け回る子供の姿も。

洋服のベースになる型紙を制作している風景。この型紙が別フロアに300枚以上重ねられた布の上に整然と並べられ、手作業でカットされていく。

カンタの残布を使ってポーチを縫う女性たち。

インドの工場を取材していると、自然と共同作業が生まれる現場に遭遇することも多い。別々の作業をしていた職人同士が阿吽の呼吸で手を取り合い、助け合いながら技術を磨き、服を作っている。そんなあたたかい手仕事が、Pasandのモノ作りには根ざしている。

photography: Anna Miyoshi (TRON)

text: Pierre la Roche

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