Pasandのモノ作り①
インドの空気が映る服作りの裏側
2022.11.08
Pasandのモノ作り①
インドの空気が映る服作りの裏側
インドの手仕事の魅力と、現代的なデザインを融合したアイテム展開で人気のライフスタイルブランド、Pasand by ne Quittez pas(パサンドバイヌキテパ)。その物語の始まりは、ディレクターのMAMIが高校卒業後にロンドンに移住した1990年代まで遡ります。
20年以上続く工場との
信頼関係がモノ作りのベース
特別なコネクションもなく飛び込んだロンドンで様々な仕事を経験するうち、アパレル生産拠点としてのインドに注目するようになる。「技術の高さはもちろん、やっぱり人柄に惹かれて」ne Quittez pasをスタートするときも、ほとんどの生産をインドの工場で行うことに。2003年のブランドスタート以来、工場に足を運び直接コミュニケーションを取り続けてきたからこそ、Pasandスタッフが工場に到着すると現地スタッフが笑顔でお出迎え。
今でこそ、メイド・イン・インディアかつモダンなデザインの洋服や雑貨がセレクトショップで見られるようになってはいるものの、Pasand by ne Quittez pasのアイテムが発する「気の良さ」は、インドの工場と長年に渡って信頼関係を築いてきたからこそ生まれている。
人の装いや街並みが着想の源
20年来インドに通うMAMIが「気が合う」というインドで暮らす人々やその装い、そして街並みが、Pasandのすべてのモノ作りに影響を与えている。コロナ禍以前は、デザイナーも年に数回インドに足を運び、工場を視察しながら実際に街に出てリサーチを行っていた。そしてようやく、この夏に再開。そうして積み重なったスタッフそれぞれの「インド」がアイテムに色濃く反映されているから、他にはないオリジナルの魅力を持ったアイテムが生まれファンを掴んで離さない。
Pasandの空気感を生むのは
楽しみながら働く現場
Pasandを支えるインドの工場を歩いていると、女性がモノ作りをしている現場に多く出会う。手に持った針を止めることなく、それ以上のスピードで会話を楽しみながら仕事をしている工場も。青山の路地にあるPasand by ne Quittez pas AOYAMAのショップに漂う、明るく抜け感のある雰囲気は、そんな工場の空気がそのまま運ばれているのかもしれない。
次回はPasandのモノ作りを支える女性たちに焦点を当てて、紹介していく。
photography: Anna Miyoshi (TRON)
text: Pierre la Roche