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Technic Vol.8 生地カッティング

Technic Vol.8 生地カッティング

インドの工場を取材して巡るなかで、驚かされた手仕事のひとつが生地のカッティング。マシーンで裁断しているのかと思いきや、Pasand(パサンド)の繊細なディテールを表現するために、布を重ねる工程から職人が行っています。最大で600枚重ねて作業することもあるという、圧巻の現場をレポートします。


慣れた手つきで布を重ねること300枚

工場の地下に降りてみると、波打つ生地を2人がかりで広げながら無駄なくキレイに積み重ねていく職人の姿が。横からジッと見つめていると、断面がみるみるうちにミルフィーユ状に高くなっていく。

広げる生地の長さは、そのとき生産するアイテムが最も効率よく裁断できる面積に設定されていて、今回作業していたのはSサイズのワンピース一着分。この日で300枚、多い時は一度に600枚を重ねることも。

同じデザインで使う生地を積み上げたら、型紙にそって線を引いていく。当然直線だけではなく曲線を描く箇所もあるが、なるべく布に無駄が出ないように、さながらパズルのように型紙を組み合わせて位置を指定する。


裁断機で型紙に沿ってカット

カットすればするほど不安定になっていく生地を、想像よりも裁断機に近い位置で手で押さえながら職人が切り進めていく。

手元を心配する取材チームをよそに、ラインの真上に刃を通して型紙通りのカタチに生地はカットされ、別のテーブルに並べられる。


数少ない残布もポーチにアップサイクル

残布となった部分をポーチに再利用するなど、アップサイクルな取り組みも。インドならではのプリントや刺しゅうといった、完成した洋服を見るだけで手仕事であることが想像しやすいテクニックだけではなく、型紙の作成からそれに合わせた生地のカッティングまで手作業で行われている。Pasandに並ぶ多くのアイテムのほとんどの工程に人の手の温もりが隠されている。

photography: Anna Miyoshi (TRON)
text: Pierre la Roche

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