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Technic Vol.6 Screen Print/スクリーンプリント

Technic Vol.6 Screen Print/スクリーンプリント

インドの手仕事を代表するテクニックのひとつが「スクリーンプリント」。ワンピースをはじめPasand(パサンド)のアイテムによく使われるこの技術は、長さ35mに及ぶテーブルに布を広げ、2人掛かりで何度も色を重ねて仕上げていきます。毎日版に触れている職人の織りなす繊細な技が、そこにはありました。


一色重なるごとに 生地に表情が生まれる

まずは糊が貼ってある台に生地をセット。奥行きはなんと35mもあり、横幅も約2mあるので、必ず職人が2人掛かりでプリントを行う。バケツからセットするインクも職人の目分量。毎日繰り返しているからこそ、温度や湿度によっても変わる最適な量を瞬時に見極めることができる。

色を重ねるごとに、生地に彩りが生まれていく。

大きな版に開いた微細な穴の部分だけインクが通過して、柄がデザインされていく。一色を刷るごとに大きなアイロンのような機械で熱を与えてプリントを定着させ、版は洗って、また次の色のための版をセット。職人による根気のいる作業が続く。


リズミカルに木べらを 渡し合う光景が微笑ましい

木べらをリズミカルに滑らせながら、2人の職人が一気に布をインクで染めていく。一見簡単そうに見えるものの、ムラなく絶妙な力加減で押し当てていく必要があるため、やはりこれにも経験が必要。まさに阿吽の呼吸でヘラを渡し合う姿に、長い時間をかけてつくられた信頼関係が透けて見える。

ちょうど作業中だった印刷に使用していたのはこの4色。このほかにも絶妙な色の違いで、数十個のインクがバケツに入れて置かれている。

白とグリーン、近しい色同士のところにオレンジが載ると一気に華やいだ印象に。

4色のインクが重なって完成。手作業だからこその色と色の境に生まれる揺らぎもスクリーンプリントの魅力のひとつ。同じ伝統技術のブロックプリントに比べて大きな版を使う分、一度に広い面積を印刷することができるスクリーンプリント。より効率的なテクニックではあるものの、色を重ねていく力加減や一度に載せるインクの量など、職人ならではの多くの「手仕事」が裏側には潜んでいた。

photography: Anna Miyoshi (TRON)
text: Pierre la Roche

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