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Technic Vol.21 Ruching/ルーシング

Technic Vol.21 Ruching/ルーシング

その文化的背景から、布に対する数多くの手工芸が発展してきたインド。古代より綿花の生産が盛んであり、必然的に織物の技術が生まれ、宗教儀式やマハラジャの衣装としてその美的感覚は研ぎ澄まされてきました。ここで紹介する「Ruching(ルーシング)」も、インドを代表する職人技のひとつ。ミシンを操り、洋服に美しい立体感を生み出す現場に伺いました。


デザインにも機能にも貢献するルーシング

洋服作りにおいて、布地に対して細かいシワやプリーツを寄せるという技術は、起源を遡るのが困難なほどに古くから使われてきた。立体感が生まれて服として表現できる幅が広がること、プリーツを寄せることでボリュームを調整できること、着用時のサイズにゆとりができることなど、この技術がもたらす恩恵はとても大きい。

Pasandの洋服にもそのようなテクニックは多く使われていて、やわらかい印象のシルエットを演出したり、スタイルをよく見せる効果も。この日作業していたのは、ワンピースの身頃にゴム糸を使いギャザーをよせるルーシングというテクニックを施した、胸下からふわっと広がるシルエットのアイテム。

縫製はギャザーを寄せた布地を、パターン通りの型にカッティングする作業から始まる。チョークでアタリをつけて、裁ち鋏で一気にカット。


間近で見れば職人の高度なテクニックに気付く

完成したのは軽くて柔らかい肌触りのコットンボイルを使ったスリーブレスドレス。ゴム糸でルーシングを施したトップス部分に、インドの職人の高度な技術を見ることができる。トップスはゴムによって伸縮するので程よくタイトに、ボトムスはフェミニンに広がるシルエットなのでスタイルアップ効果も期待できる1着に仕上がっている。

photography: Akemi Kurosaka
text: Pierre la Roche

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