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Technic Vol.15 Digital print / デジタルプリント

Technic Vol.15 Digital print / デジタルプリント

インドの伝統的なテクニックを紹介することの多かったこのマガジン。今回紹介するのは大きなマシンを使って印刷をする「Digital print(デジタルプリント)」です。職人が手仕事で版を押していくスクリーンプリントが1日で30mしか印刷できないところ、1日で1,000mの生地に印刷できるこの技術の魅力を探ります。


デジタルプリントの データ設定は職人の仕事

東京のオフィスでデザイナーが描いたデザイン画が、インドの工場でデジタルデータに変換される。プリントがスタートするときには、ここにはPasandスタッフの好みを知り尽くした現地の職人が立ち会い、色合いやディテールを調整していく。

テストでプリントしたものとサンプル、デザイン画、カラーチャート、などを見比べながらゴールを設定していく。一度プリントが始まれば、横幅1m10cmの布に寸分の違いなく印刷されていくので、とても重要な工程。

巨大プリンターの表と裏の様子。表では正しくプリントされているか、色味がキレイに印刷されているかをチェック。裏では、生地が滞ることなく流れていくように目視確認が行われている。


“神に捧げる花”、 マリーゴールドのオリジナル柄をプリント

この日プリントしていたのは、ne Quittez pas(ヌキテパ)2024年SSシーズンのなかでも最も象徴的なアイテムのひとつであるマリーゴールド柄のドレス。スタッフがインドを旅しているときに見つけた壁画を手がかりに、オリジナルで起こしたデザインになっている。

織りの表情が豊かな素材に、宗教儀式でも使われる華やかな色あいの花柄がプリントされたスペシャルな1枚は、○月から店頭に並ぶ。


世界一のクオリティと 自負する機械が毎日稼働

プリンター本体はイタリア製、そしてヘッド部分は日本製で京セラのもの。この日案内をしてくれた工場長は、「世界一のクオリティの機械だよ。7年間、ほとんど毎日動かしているけど故障もない」と誇らしげな様子で紹介してくれた。

デジタルならではの、高解像度かつ複雑なデザインを生地にプリントし終えると、最上階に生地を運び、洗浄・乾燥の工程へと進んでいく。大きなロッカーのような形の乾燥機に、3人がかりで生地を収納していき一気に乾燥。この段階でプリントは完全に定着し、裁断、縫製の工場へと出荷されていく。

木の塊を手作業で削り版をつくるブロックプリントでは再現できない複雑で精巧な柄や、模様自体にグラデーションのような立体感のある奥行きを持った見え方を実現できるデジタルプリント。「デジタル」という言葉で表現される技術であっても、その作業工程を覗いてみると裏では熟練の職人が支えていた。

photography: Akemi Kurosaka
text: Pierre la Roche

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