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Technic Vol.13 Gathering / ギャザリング

Technic Vol.13 Gathering / ギャザリング

古くから縫製の技法として世界中で見ることのできる「gathering(ギャザリング)」。その言葉の通り、布を集めてシワを寄せ、服にアクセントを与えたりデザインに立体感をもたらしてくれます。インドでも、サリーに用いられるなど伝統的な技法として定着しているこの技術の生産現場に立ち会いました。


シンプルな工程にこそ 職人の腕が光る

工場を訪れた時に作っていたのは、優しい色合いのピンクが印象的なワンピースの裾を華やかに見せてくれるギャザーフリル。制作過程はいたってシンプルで、まずは布をハサミで指定の大きさにカットしていく。

カットした布は丁寧にアイロンでプレスし、キレイに伸ばしていく。単純な手作業の積み重ねが、精巧な仕上がりを生んでいることを実感させてくれるワンシーン。

プレスした布は2つ折りにして、折り目とは反対側の布を裁ち端側から数mmのところで縫い合わせ、余った部分を左右に折り曲げて再度プレス。これでギャザリングの下準備が完了。


美しいギャザーも 職人の両手から生まれる

下準備で縫い合わせたことによって生まれた空間に棒状のツールを差し込み、ギャザーを寄せていく。簡単なように見えるものの、等間隔のヒダが生まれるのは職人の両手に染みついた技術があるからこそ。この日作業をしていた<kunvar pal>さんに「難しいですか?」と聞くと、はにかみながら「どうだろう…?」という表情で首を傾げている。

それでも瞬く間にギャザーは集まり、布を裏返すと美しいギャザーが完成している。


手作業でワンピースに フリルを取り付けて完成

裏返した布を右手で押さえながら、生地のセンターをミシンで縫い進めていく。

ワンピースの裾にギャザーフリルを取り付けて完成。切る、折る、縫う、集めてまた縫う。とてもシンプルな工程にも関わらず、真剣な眼差しでひと針ひと針縫い進め、自らが請け負うパートでプロフェッショナルな技術を発揮しているインドの職人たち。

「完成したワンピースを持ってそこに立って」とお願いをすると、やはり少しはにかんだような、だけど誇らしげな表情でこちらに笑顔を向けてくれた。

photography: Akemi Kurosaka
text: Pierre la Roche

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