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Technic Vol.12 Tassel / タッセル

Technic Vol.12 Tassel / タッセル

糸を束ねて装飾として用いる。シンプルな構造ゆえに紀元前から様々な文化圏で見られるタッセル。Pasand(パサンド)ではワンピースやバッグのアクセントとして使われています。生産拠点であるインドでも古くから伝統的な場所や衣服に用いられてきたこの技術が生まれる現場を訪れました。


糸を束ねて、一方を留める
シンプルで奥深いタッセルの世界

世界各国の文化圏で多種多様な形が作られてきたというタッセル。今では、糸を束ねて一方を留めることで房状に仕上げたものが一般的になっている。その制作工程も至ってシンプル。床に3本脚の丸椅子を逆さまに置き、脚と脚の間をグルッと回すように糸を束ねていく。

束ねた糸の一方を別の糸で縛ることで房状になったかたまりに、共布の紐を埋め込んでいく。もう一方をハサミでカットした状態が上の写真。ひとりがタッセルの原型となる糸のかたまりを持ち、もうひとりが上部をまとめるように縛っていく。

縛った金の糸をカットすればタッセルが完成する。ひとつが出来上がるまでに要した時間は20分ほど。これだけシンプルに見えても、1時間でできるのはたったの3つ。そして職人2人の手がかかっている。


マジックのように完成する共布の紐

2つのタッセルを結ぶ紐は共布で作られている。布を規定の大きさにカットして、2つに折り、折り目になっている側を細くミシンで縫い合わせていく。ここからはまるでマジック。太い針と糸を使って先ほど縫い合わせた狭い空間をひっくり返していくと…。

針と糸が穴の入口から出口に進んでいくにつれ、見る見る紐が完成していきギャザー状に布が集まっていく。必要な長さまでギャザーを寄せたら糸を固定して縫い止め、共布の紐が完成。

Pasandのワンピースの後ろ見頃を結ぶのに使われたり、口が締まるバッグの紐として使われたり、“使いやすさ”という機能にアクセントを加えてくれるタッセル。極くシンプルに見える技術でさえ、最低でも3人の職人の手がかかっていることに驚かされた。

photography: Anna Miyoshi (TRON)
text: Pierre la Roche

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