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Technic Vol.1 Chikan Embroidery/チカン刺しゅう

Technic Vol.1 Chikan Embroidery/チカン刺しゅう

インドのテキスタイル文化は奥深く、その長い歴史の中で多くの刺しゅうスタイルを生み出してきました。今回紹介するチカン刺しゅう、インドを代表する伝統的なテクニックのひとつです。

チカン刺しゅうは、北インドのウッタルプラデーシュ州ラクナウ地方で受け継がれてきた伝統的な手刺しゅうのこと。その地に暮らす女性たちは、幼少の頃から刺しゅうを学び始め、母から娘へ、またその娘へと、代々その技術を守り続けてきました。

チカン刺しゅうが誕生したラクナウ地方は、16世紀から19世紀までインドを支配したムガル帝国時代の宮殿が、今も数多く残る場所。王宮文化とともに、この優美なテクニックが発展したと言われています。透き通るほど上質な純白のモスリン生地に、白い刺しゅうがほどこされた涼しげな衣服は、当時の王侯貴族だけが身に纏う贅沢品でした。


ITEM DETAILS

かつては白のモスリン生地に白糸で刺しゅうしたものを、チカン刺しゅうと呼んでいました。そして現代では、モスリン、シルク、シフォン、オーガンザ、ネットなど、様々な素材を使うようになり、糸の色もカラフルに進化。デイリーウェアにも多く使われています。

チカン刺しゅうには36もの技法があるといわれ、これらを組み合わせて繊細で美しいモチーフを描き出します。〈ne Quittez pas〉で使われるモチーフは、すべてインドでデザインされたものです。

例えば、柔らかな肌触りのコットンボイルにチカン刺しゅうをあしらった写真のドレスは、インドならではの色彩感覚を反映した美しい配色で、他にはないモダンなムード。ふんわりとした立体的な刺しゅうは、ひとつのアイテムに20時間以上もの時間をかけて、手作業で作られています。

なお、〈ne Quittez pas〉では、ウッタルプラデーシュ州モディナガル地方に住む女性たちに、この手刺しゅうの仕事を依頼。インドの伝統技術・文化を守り、未来へと継承するサポートを行っています。

Text : Makiko Awata

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